‘金継ぎの話’ カテゴリーのアーカイブ

2018年7月20日
金継ぎ話 ~今年の修理は終わりです~

昨年の秋に、叩き売り同然の価格で洋ナシをゲットし、ジャムを3瓶ほど作りました。

正直、あまり好みには合いませんでした。

7ヶ月以上保管して、今朝、残り1個を開封してみました。

青りんごのような香りが深くなっていて、果肉もとろっとしています。

文句なしで美味しい・・・。

この世の中、時間が解決してくれることも多いようですね。

さて、3個目の補修話です。

ドイツのアンティーク皿、うまく接ぐことができたので、これにて今年の金継ぎは終わりにします。

暑いので、もうやってられない(笑)。

金粉が飛ぶので、扇風機はもちろんのこと、作業台の正面にあるエアコンもつけられないし、窓も開けられない。

1個目と2個目は完成してから2週間経過したので、使用を再開しました。

3個目は金で飾ることはせず、漆仕上げのままで良しとしました。

初めて下手ですし、理想的な細い筆も入手できず、私のイメージよりも線が太くなってしまいました。

これを金で装飾すると嫌味というか下品になると思ったので、漆仕上げのままで。

ツレに「え~、金にしないの~。金、似合うんじゃない?」と突っ込まれましたが、もう暑くてイヤっていうか、無理。

漆と小麦粉と水だけで、割れた皿がくっついている不思議・・・。

ゆがみによる高台のガタガタも補修できたので、変な話ですが、割れたことによって普通に使える皿になりました。

漆仕上げしてしまうと、とたんに日本製っぽいイメージに。

今年、初めて金継ぎをしてみて思ったのは、

*割れの修理には時間がかかる。割れた場合、遺品とかでない限りは、迷うことなく新しい器を買ったほうがよさそう。

*金継ぎは私の趣味にはならない。実用。

*狙って引いた線より、無意識の線のほうが美しい。

この皿も、表の線よりも、「補修だけ」を目的にした裏のほうが好き。

ただ「直すだけ」ならば誰にでもできると思いますが、そこになんらかの美を求めようとすると、深遠というか、やっかいというか。

書道とか華道みたいに、終わりのない「道」がつく世界なのかも・・・。

修理すべき器はもう手元に残っていないので、おそらく来年はやりません。

新しく欲しい器はなく、欠けているアンティークが我が家に入ってくることも当分はないはずです。

金継ぎを初めてやってみて、「大切な器をうっかり壊しちゃっても、面倒だけど自分で直せるから、まあ、気負わず毎日じゃんじゃん使っていこう。」といった安心感?を得ることができました。

「残った漆は処分したほうがいいかな~」と迷っています。

Posted in 金継ぎの話
2018年7月3日
金継ぎ、はじめました ~作家モノの茶碗~

連日35度超えです。

昨日の午後、睡蓮鉢にカエルさんが戻ってきました。

我が家のベランダが気に入ったようです。

今度はホテイアオイの上ではなく、睡蓮の葉っぱの上に陣取って夕涼み。

お尻と後ろ足が沈んで水にちょっと浸かっているので、それが気持ちいいのかも・・・。

その後、鉢の縁に移動して、ローズマリーの木陰で風に吹かれるケロタン。

勝手な想像ですが、人間で言うところの「ちょっと一休みしたいときの公園」みたいなポジションなのかも。

今日も最高気温は36度予想らしいので、ケロタンは戻ってくるかもしれない。

さて、今日は金継ぎ話。

2個目の修理をやってみました。

数年前に長野市内で購入した作家モノのお茶碗をなおします。

洗っている際、うっかりと他の器とこすってしまい、縁が欠けました。

いま修理しているのはほとんどアンティーク品(*購入時、器に難があったもの)なので、私が壊してしまった唯一の現代モノの器になります。

大きめに欠けたので、ほつれの修理なのか、欠けの修理にすべきか分かりませんでしたが、ほつれとして作業することに決めました。

① マスキングテープで養生

② 錆び漆

③ 錆び漆 → 砥石で研ぐ (2日寝かす)

④ 錆び漆 → 砥石で研ぐ (4日寝かす)

⑤ 弁柄漆 (寝かす) →軽く研ぐ

⑥ 弁柄漆 (寝かす) →軽く研ぐ

⑦ 弁柄漆→金粉まき

⑧ 仕上げ(漆を塗って、硬化後にメノウで磨く)

の8工程にしました。

この作業で分かったことは、砥石で研げば、不恰好な錆付けも丁寧にならして重ねていけるので、砥石はお役立ちだなってことです。

砥石に当たった部分はこすれて白っぽくなり、当たらない部分(錆付けが足りなくてへこんでいる部分)は色が変わらない。

ということで、濃い色部分に錆付けして、厚みを足せばいいわけです。

「紙やすりと小さい砥石、どっちがいいんだろう・・・」と思って、両方を準備したのですが、この作業には砥石が使いやすかったです。

そして、錆び漆の作業を丁寧にやらないと、その影響が弁柄漆まで波及するので、「下地が大切なんだな・・・」とよくわかりました。

あと、2個目の器に金粉はたっぷり撒きました。

1個目の修理でケチったところ(笑)、金の厚みが足りなかったようで輝きに欠けました。

撒くタイミングはさほど悪くなかった気がするので、仕上げの漆の濃度が濃すぎたのかも・・・。

上塗りをするつもりはないので、黄土色のような微妙~な色合いのままで使うつもりです。

金継ぎするなら、金粉をケチってはいけない(←金言のつもり)。

そして、漆仕上げのままも悪くない(←第二の金言のつもり)。

金粉は超お高いだけに、金粉仕上げにこだわる必要はないですね・・・。

いろいろと失敗加減ですが(笑)、次の修正点がなんとなく分かった、という点では満足しています。

重力に対する配慮が不十分なので、最後の漆が垂れた分だけ継ぎ目の一部分に厚みが出てしまい、きわに陰影がついてしまったのも反省点。

ちなみに私の金粉グッズ。

*青い和紙・・・金粉が飛び散ったときに目に見えるように

*筆・・・付着しすぎた金粉をはらうため

*金粉

*青いケース・・・漆用の筆置きに使用中。金粉の包み紙の重石にも。

*カフスケース(アクセサリーケースとして使用)・・・重石の2個目

金粉を扱うときは実に真剣なので、マスクをして、窓も閉めてやります。

だが、しかし・・・。

この器、あまりにあっさりと軽い力で欠けた器です。

私が器を壊してしまうことはめったにないので・・・。

今回の修理で、「こういう作家モノの器はもう買わないことにしよう。」と心に決めました(笑)。

再び軽い力で欠けてしまった場合は、迷いなく、修理しないで処分すると思います。

器は毎日使う道具ですので、機能も大切。

割れやすい碗はそもそも使用に耐えません。

「見た目優先で器を選んでしまった・・・」という意味で、過去の買い物に失敗を感じていますが、失敗のおかげで修理するワザを得たので、今回はこれで良しとしました。

2018年6月25日
金継ぎ、はじめました

W杯の日本戦、面白かったようですが、私は見ていません。

月曜がちょっと忙しい・・・と思っていたので、いつも通りに寝ていました。

同点になると気配で目が覚めるので、「なかなか面白いというか、一生懸命、真面目に走り回ってる好ゲームなんだな。」と音で分かりました。

目で見なくても、パスがよく回っているのもわかりました。

だからと言って、お布団から出て観戦するタイプでもありません。

目が覚めるたびに喉が渇いていたので、「室内が乾燥しているのかなあ・・・」と心配していました。

心配していた理由は「漆」です。

今月から金継ぎを始めました。

1回の工程は匍匐前進のごとく、わずかです。

花教室のレッスン当日はもちろん、前日も準備で忙しいので金継ぎはやりません。

初めてのことでやり方や適量がよく分からないので、慎重に進めています。

1回1時間以内の作業ですが、家事や部屋の片づけを終えてからでないと始められないので、それなりに手間ですね・・・。

作業自体に難しさはさほど感じていませんが、漆かぶれを予防するために装備をしっかりしたり、手順に気を使うので、それが面倒です。

「うっかり付着」ですら防ぎたいので、私の場合、マスク+頭にはタオル+アームカバー+手袋の装備をして、作業着として決めた洋服を着用しています。

私より、ツレのほうが漆に敏感な可能性があるので、うっかり拡散を防ぐため、手袋は1回ごとの使い捨てにしています。

「頼むから、作業中に宅急便は来てくれるな・・・。」と思いつつ作業しているものの、だんだんと筆遣いに慣れてきて、作業が早くなってきたように思います。

最初はほつれの修繕から始めました。

人生で初めて金粉も使ってみました。

ほつれの修繕が終ったら、割れた皿に取り掛かりたいです。

2018年5月30日
金継ぎ、はじめました ~割れの修繕になりました~

昨日はネコ運が良かったです。

ひさしぶりに、名前をつけたご近所のネコちゃん(*丸々&ツヤツヤで可愛い)に会えましたし、新顔のミケネコにも会えました。

ようやく気付いたことがあるのですが、長野市のネコはきっぱり夜型です。

「松本より数が少ないのは分かるけど、どうして会えないんだろう・・・」などと悶々としていたのですが、実に簡単な話で、松本のネコは昼に活発なネコが多く、長野は完全に夜型でした。

松本の気分で探していたから、長野では会えなかったわけです。

昨日はそれに気づき、外出を午前中ではなくて夕方にしてみました。

普通に遭遇できました。

さて、今日は金継ぎ話。

金継ぎ予定の器の中で、「ヒビの修繕ではなくて、意図的に割ってから修繕しようかな・・・」と検討中だったお皿があるのです。

お皿のコンディションやヒビの具合からして、そのように悩んでいましたが、「べつに急ぐこともないし・・・。」と思って結論を出さずにいました。

問題は解決しました。

先週末に自然と割れたので。

稲妻が走ったように、見事に真っ二つです。

お皿が「不器用な人間に無理やり割られるくらいなら、こっちから割れてやる。」と考えたのかもしれません。

それくらい見事な割れっぷり&タイミング・・・。

高台がガタガタいっているお皿だったので、割れたことにより、ガタガタ言わないポジションが確認できるようになりました。

重力にまかせて自然にセットすると、皿の表面に2ミリ程度の高低差が生まれます。

思っていたよりも重症。

疲労骨折みたいなものですので、悪いところをケアしないまま継いでも意味がないというか、すぐにまた割れるでしょう。

ちなみに、このお皿を焼いた職人に腹を立てているわけではありません(笑)。

私の妄想によりますと、第一次世界大戦が終った後にドイツ辺りで焼かれたお皿だと感じるので、「いろいろあった時期だろうに、よく焼いたな~。」と思うだけです。

「仕方ない、高台を削って調整するか・・・。うまくできるか分からないけど・・・。砥石?荒い紙やすり?」ということで、梅雨入り前ですが、作業を始めました。

400番の紙やすり1枚で、ひたすら研磨しました。

400番で2ミリを削り出すので、けっこう壮大な話です(←皿は磁器・笑)。

やってみるとわかるのですが、作業中は「永遠」を感じます。

一気にやろうとすると萎えるので、途中、メダカの赤ちゃんをすくったり、NHKラジオを聴いたり、洗濯したり、教室の生徒さんに返信メールを送信したり、中断&再開を繰り返しました。

「このへんが落とし所だろう・・・」と思える具合に到達するまで、3日間、かかりました。

涓滴岩を穿つ・・・。

私の作為は最小限にしたかったので、お皿が自ら割れてくれて助かりました。

「この世の中、時間が解決してくれることは確実にあるよなあ~」と実感。

もちろん、なんでもかんでも先延ばしすることを良しとするわけではないものの、「時が満ちるタイミング」はあるように思えます。

ということで、梅雨入り前に金継ぎの下準備が整いました。

あとは梅雨入りを待つだけです。

2018年5月24日
金継ぎ、はじめました ~ムロを用意する~

起床してカーテンを開けつつ空を見上げてみたところ、「今日から雲の色が変わったな・・・」と感じました。

近所の川の水位がいままでになく低くなったので、周囲の山々では雪解けが完全に終ったのかもしれません。

季節が切り替わろうとしている印象。

例年、「雲の色が変わった」と感じたころに押し入れの掃除などをしています。

梅雨入りするとカビやダニが一気に発生しますので、悲惨なことにならないように、先手で準備を始めます。

ちなみに気象庁の発表する梅雨入りのお知らせは、まったく気にしていません。

発表されてからでは遅いので・・・。

ということで、金継ぎの準備を始めます。

基本となる道具は揃えましたので、自分の作業着と器を保管する箱を用意します。

まずは衣装。

漆は水では流せないらしく、付着してしまったら油で拭き取るのだそうです。

となると、綿では都合がよろしくない・・・。

付着させないのが一番ですが、「うっかり」は誰にでもありますので。

ナイロンの上着と、ナイロンのアームカバーが欲しい。

上着は家にあるもので済ませますが、アームカバーは100均で購入することにしました。

そして器を保管する箱です。

家にあった段ボールを持ってきて、作業台の近くに設置して封をしてみました。

温度20~25度、湿度70~85%くらいが必要らしいので、「なにもしない状態」で、数値を確認してみます。

ツレが会社から景品としてもらった温湿度計があって、正直なところ、「これ、売り払ってもいい?・・・・・・・・・。」と思っていたのですが(笑)、まさかこんなときに役立つとは・・・。

段ボールの中にセットします。

なにもしない状態(段ボールの蓋を閉じた状態)で温度湿度を確認してみたところ、21.3度、61%でした。

湿度だけプラスになるように管理すれば、このまま使用できそうです。

濡れタオルを置いてみたところ、晴れた日のお昼どきでも69%。

段ボールの底を霧吹きで軽く湿らせると、76%まで上がりました。

我が家の場合、「霧吹きで底を湿らせて、濡れタオル1個を同封」にすると、コンディションが良さそうです。

ということで、今日はアームカバーを買いにでかけます。

ヒビが入っている皿も金継ぎするのですが、今朝になって、「ヒビの修繕ではなくて、自分で意図的に割ってから繕ったほうが状態が良くなるかも・・・」と考え始めました。

そもそも作りにゆがみがあってガタガタしていた皿で、おそらく「ゆがみ+日常使い」がヒビの原因かと・・・。

繕いで微調整が可能かどうかも知りませんが、自然とヒビが入ったものなので、お皿が「ここがムリ~」と訴えている箇所なのかもしれず、それを繕ったところで根本的な修繕にはなりません。

自己満足で終るというか・・・。

自分で割って繕うとなると、シロウトがやるにしてはかなりの大仕事になりますので、いくつかの器でほつれの繕いなどを経験してから、最後に着手するかもしれません。

まあ、100年近く前のお皿ですし、いまさら急ぐ意味もないのでゆっくり考えます。

2018年5月22日
金継ぎ、はじめました ~道具を揃えてみた~

「2018年の梅雨」から始めると決めていた金継ぎ。

道具を揃えてみました。

金継ぎの本は、昨年のうちに何冊も読了済み。

「自分にとって、使いやすい道具」は経験を積んでみないとわかりませんので、道具は初心者セットを購入してみることに。

先達に習う意思がないため、自分で失敗経験を積む必要があって、迷っているよりも始めてしまうほかありません。

ウダウダ言って動かないでいると、結局のところ、なにも得られないまま人生が終わりに近づくだけですし・・・。

セットを見た感じ、「もっと小さめのヘラが欲しくなるんじゃなかろうか。」ということと、「筆が欲しくなりそう。」と思ったのですが、実際に使ってみないと分かりませんので、まあ失敗含みのお買い物です。

修理が必要な器は、いま現在で4つあります。

* 茶碗のカケ×2個

* 皿のヒビ

* 壺の口のカケ

切羽つまっているのは茶碗。

我が家、カケさせてしまったあとに他の器を買い足していないので不便しています。

さっさと直して、また使い始めたいです。

次は皿のヒビ。

ヒビが入った状態で毎日使用しているので(←お皿も余分がないので)、いつか割れるんじゃないかと心配しながら使っています。

壺の傷は正直どうでもいいのですが、ついでなので直しておきたいといった程度です。

ということで、梅雨の気配を感じたら、すぐに始めます。